社会なんて暗記するだけでしょ!?
昔から言われているこの言葉、
社会で点数が取れない子どもたちにとって
耳が痛いことばです。
社会で点が取れないのは
「暗記≒勉強量が足りない」だけだと…
違うんです。
確かに、ひと昔前は「社会≒暗記教科」でした。
私もよく、歴史上の出来事なんかを
語呂合わせで暗記していました。
でも今の社会は暗記だけではどうにもなりません。
例えば、去年の入試問題
(4)我が国は、~(省略)~ウガンダに対するODA(政府開発援助)により、稲作の普及や振興のために、2004年以降、JICA(国際協力機構)を通じて専門家の派遣や技術協力などの援助を行っている。表6は、2004年から2018年までのウガンダにおける米の生産量と収穫面積の推移を示したものである。表6から、2004年から2018年までの間にウガンダの米の生産がどのように変化したと考えられるか。表6から読み取れることを根拠として書きなさい。
※「米の生産量が増えた」「面積はあまり変わっていないが生産量は増えた」などは不正解
※模範解答は「米の収穫面積の変化に対して生産量が大きく増加しているので、生産性が向上したと考えられる」
この問題、暗記ではどうにもなりません。
ウガンダの米の生産なんて教科書にまず出てきません。
正解するには、
まずは資料を読み取る力
(何が書いてあるのか、どういう意味なのか)
それを推理・分析する力
(作成者は何を答えて欲しいのか、どこまで求めているのか)
そして論理的に記述する力
(答えを正しい日本語で書く、過不足なく書く)
が必要です。
大学の共通テストと変わりません。
私たちの時代の記述問題なんて、
丸暗記でした。
問)経済特区とはどのような地域か?
答)外国企業が進出しやすいように、税制面等で優遇している地域。
のような。
でも今の入試には出てきません。
問題の文章量も大幅に増えています。
10年前は11ページ程度だった問題用紙は
去年は13ページです。
資料やグラフ、文章が増えた結果です。
ちなみに去年、5教科の中で
一番平均点が低かった教科は
社会(21.7点/50点満点)です。
41点以上取った生徒は144人です。
熊高、濟々黌を受験した生徒が1200人以上いますが、
そのほとんどが40点以下です。
おそらく、
勉強時間も、暗記の時間もかなり多いはずの彼らでも
この点数です。
どの教科も、
覚えること≒暗記すること
は大切です。
ですが、それだけで点数が取れる時代では
なくなりました。
これからは
基礎的な語彙や単語などを暗記した上で
それを応用する力が求められています。
われわれ指導する側も、
そういう力を伸ばす指導をしなければいけません。
「社会は暗記教科ですから、あとで追いつけますよ!」
「今は英数だけ勉強しときましょう!」
なんてこと言う塾に行ったらいけません。
私自身の反省、今後の指導方針も見据えての
ブログでした。